ワンルームマンション投資では、レバレッジ効果を得るためにローンを借りることがあります。
不動産投資会社の営業の方と話してみれば、ローンにかかる費用や修繕積立金と家賃収入を差し引きして黒字になる、という営業を受けることもあるでしょう。ですが、実際黒字になるのでしょうか。
本記事ではワンルームマンション投資歴5年目の筆者が、ワンルームマンション投資で実際にかかっている費用と家賃収入、それらから生み出される収支についてお伝えします。
ワンルームマンション投資にかかる費用はローンだけじゃない
ワンルームマンション投資では、ローン以外にも費用がかかります。これまで費用として支払ってきた項目は以下の通りです。
- 管理費・修繕積立金
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 管理代行費
- 火災保険
- 修繕費
- 募集手数料
- 登記費用
定期的に支払いが必要な項目もあれば、急に支払いが必要になる項目もあります。それぞれ解説していきます。
管理費・修繕積立金
マンションの管理組合に支払う費用です。筆者の所有するワンルームマンションであれば1万円台前半が多いです。
この費用はマンションを維持管理するために必要です。マンションは年々劣化していきますので、数年に一度、管理費・修繕積立金が値上げされることがあります。修繕積立計画に則って値上げが実施されますので、気になる方は修繕積立計画を確認してみてください。
何に使われているかは、管理組合総会の収支報告書で確認することができます。残高が多く残っていることもあると思いますが、それらは大規模修繕工事のために積み立てられている費用です。
部屋 | 場所 | 取得金額 | 竣工年 | 管理費 |
---|---|---|---|---|
1物件目 | 横浜市西区 | 約800万円 | 1989年 | 約11,000円 |
2物件目 | 文京区 | 約2,400万円 | 2005年 | 約13,000円 |
3物件目 | 豊島区 | 約1,300万円 | 1989年 | 約11,000円 |
2部屋目は2023年から管理費が2,300円値上がりしました。年間27,600円のインパクトがあります。
不動産取得税
ワンルームマンションを取得して数か月後に納税を行う税金です。毎年支払うものではなく、取得した際に支払います。
筆者の場合、不動産取得税は取得してから5~8カ月程度で支払をしています。2023年2月に取得した物件は2023年7月現在、支払いの書類は届いていません。
部屋 | 場所 | 取得金額 | 竣工年 | 取得年月 | 支払年月 | 不動産取得税 |
---|---|---|---|---|---|---|
1物件目 | 横浜市西区 | 約800万円 | 1989年 | 2019年4月 | 2019年12月 | 約120,000円 |
2物件目 | 文京区 | 約2,400万円 | 2005年 | 2021年3月 | 2021年8月 | 約140,000円 |
3物件目 | 豊島区 | 約1,300万円 | 1989年 | 2023年2月 | – | – |
固定資産税
固定資産税は不動産取得年の次年から毎年支払う税金です。
部屋 | 場所 | 取得金額 | 竣工年 | 取得年月 | 固定資産税 |
---|---|---|---|---|---|
1物件目 | 横浜市西区 | 約800万円 | 1989年 | 2019年4月 | 約47,000円 |
2物件目 | 文京区 | 約2,400万円 | 2005年 | 2021年3月 | 約54,000円 |
3物件目 | 豊島区 | 約1,300万円 | 1989年 | 2023年2月 | – |
管理代行費
管理代行費は業務委託費とも表現することもあります。ワンルームマンションを自力で管理する方もいらっしゃいますが、サラリーマン投資家の多くは管理を外部に委託しているのではないかと思います。
筆者も管理代行を委託しているうちの一人で、日本財託に管理を委託しています。1物件あたり3,300円(税込み)/月で管理を委託することができます。
部屋 | 場所 | 取得金額 | 竣工年 | 取得年月 | 管理代行費 |
---|---|---|---|---|---|
1物件目 | 横浜市西区 | 約800万円 | 1989年 | 2019年4月 | 3,300円 |
2物件目 | 文京区 | 約2,400万円 | 2005年 | 2021年3月 | 3,300円 |
3物件目 | 豊島区 | 約1,300万円 | 1989年 | 2023年2月 | 3,300円 |
修繕費
修繕費は主に入居者が退去した際に発生します。筆者は2019年からワンルームマンション投資を開始していますが、2019年・2021年・2023年の計3回修繕が発生しました。
敷金の有無などで実質負担額が変わりますが、エアコンや給湯器が老朽化すると設備を更新しなければなりません。
修繕年月 | 部屋 | 場所 | 修繕内容 | 修繕費 |
---|---|---|---|---|
2019年8月 | 1物件目 | 横浜市西区 | ルームクリーニング・エアコン等 | 約67,000円 |
2021年5月 | 1物件目 | 横浜市西区 | ルームクリーニング・給湯器等 | 約90,000円 |
2023年4月 | 2物件目 | 豊島区 | ルームクリーニング・エアコン等 | 約212,000円 |
募集手数料
筆者が管理を委託している日本財託では、募集手数料が礼金1か月分と決まっています。ですので、礼金0カ月で賃貸の募集を行うと礼金1か月分を支払わなければなりません。
登記費用
ワンルームマンションの持ち主であるオーナーが引っ越しを行うと、当然住所が変わります。その際、登記簿を変更する必要があります。個人で登記簿の変更を行うと1物件2,000円の申請費用がかかります。
まとめ
ワンルームマンション投資では様々な費用が発生します。月額の家賃から月額で支払うローンや管理費・修繕積立金、管理代行費を引くと月額で数百円から数千円がプラスになります。しかしながら、固定資産税や突発的に発生する修繕費を支払うと年間の収支はマイナスになります。それを覚悟の上でワンルームマンション投資を行うか考えなければいけません。
ワンルームマンション投資はネガティブに捉えられることがありますが、それは年間収支がマイナスになることからくるものだと思われます。その一方で、ローンの支払いが進み負債が確実に減っていきますので、将来的には年間収支はプラスになります。
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